ＤＩＹによるトタン屋根の雨漏り修理はNG？理由やコーキング材の種類・業者の選定ポイントまで徹底解説！

　現在、トタン屋根の雨漏り被害にお困りの方の中には、コーキングを使用したDIYによる修繕をご検討されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
　インターネットが普及した現代では、「トタン屋根 雨漏り修繕 コーキング」といったキーワードで検索する事で施工方法や必要な材料を簡単に調べる事が出来ます。

　しかし、私達はトタン屋根に限らず、DIYによるお住まいの修理・修繕工事をおすすめしておりません！

　そこで、この記事ではトタン屋根の雨漏り修理にスポットを当て、トタンの特徴からＤＩＹによる修理施工の問題点、業者の選定ポイントまで詳しい情報を解説いたします。

トタンの特徴と問題点

　現代において住宅の屋根に使用される金属素材と言えば「ガルバリウム鋼板」が一般的ですが、その登場以前に多く使用されていたのが「トタン」です！
　トタンは亜鉛100%のメッキが施された鋼板素材であり、軽量性・施工性・コスト面に優れている事から広く採用されました。

　しかし、このトタン屋根が抱える最大の問題点が、錆への耐性です。

　前述のガルバリウム鋼板と比較して約3倍以上も耐錆性が劣り、雨風や紫外線の影響を受け続ける事で錆を生じさせてしまいます。
　錆・腐食の進行は穴あきの原因にもなりますので、そこから雨漏り被害を招いてしまうケースも多いです。

　ガルバリウム鋼板の登場によって薄れた「金属屋根は錆びやすい...」というイメージは、トタン屋根によってつくられたと言っても過言ではありません。

DIYによるトタン屋根の雨漏り修理がおすすめ出来ない理由

　トタン屋根の穴あきにより雨漏りが生じている場合、コーキングによる補修は可能です！
　その為、中には「コーキングを使用して穴を塞ぐくらいであれば...」とDIYによる修理をご検討されている方もいらっしゃると思います。

　ですが、様々な理由からDIYによる修理はおすすめできません。
　以下にその理由について詳しく解説いたします！

作業自体が危険で転落事故のリスクも高い

　高所である屋根上は危険であり、熟練の職人も高所作業を行う場合には必ず「足場」を仮設して作業を行います。
　ＤＩＹではそうした適切な安全策をとることは難しく、非常に危険です！

　また、不安定な場所で慣れない作業を行う事は、それだけで転落事故のリスクが大きくなります。
　たとえ点検だけであっても、屋根に上ることはおすすめできません！

施工作業・材料選定には専門的な知識が必要

　「穴を塞ぐだけ...」と言えば簡単に聞こえますが、簡易的な施工においても専門的な技術・知識が無ければ失敗を招いてしまいます。

　たとえば、コーキング材を充填する前段階においても、

　
　・補修箇所周辺の清掃
　・密着度を向上させる役割を持つ「プライマー」の塗布
　・周囲への影響を抑える「マスキングテープ」による養生

　など、状況に応じて適切な準備が必要です。

　また、コーキング材はホームセンターなどで簡単に購入する事が出来ますが、その種類・特徴は非常に様々です。
　間違った工事方法・材料による施工は、無駄になってしまうばかりか損傷の拡大にも繋がります。

コーキング材の種類と特徴

　コーキング材とは建物の隙間やひび割れ、接合部分などに使用する素材であり、建物を造る上では必須とも言える存在です！

　一方でコーキング材の種類は様々であり、それにより特徴も変わってきます。
　以下は、代表的なコーキング材の種類と特徴です！

	特徴・メリット	デメリット
シリコン系	耐久性・耐水性に優れ紫外線や湿気にも強い	塗装が必要な箇所には適していない
変成シリコン系	対候性・防水性に優れ塗装可能	硬化するまでに時間が掛かり、塗料の種類によっては変色を招く
ウレタン系	粘着性・耐久性に優れ塗装可能	紫外線に弱く塗装による保護が不可欠
アクリル系	水性タイプが多く低コスト	耐久性に乏しい
ポリサルファイド系	耐久性に非常に優れ厳しい環境でも使用可能	臭気が強く塗料との相性により変色する

〇シリコン系
　耐候性や防水性に非常に優れており、紫外線や湿気に強いのが特徴です。
　また、弾力性が高く、動きのある箇所にも適しています！

　窓やガラス周り・浴室・キッチンなど水回りの防水用途で広く使用されまが、その一方で塗装ができないため、塗装が必要な箇所には適していません。

〇変成シリコン系
　変成シリコン系は、シリコン系の耐候性や防水性を備えながら塗装が可能な点が最大の特徴です。
　接着力が高く、幅広い素材に対応できることからトタン屋根の継ぎ目や接合部などの補修にも適しています。

　外壁や屋根など塗装が必要な場所での使用に最適ですが、硬化するまでに時間がかかることや塗料の種類によっては変色を招く可能性がある点に注意が必要です。

〇ウレタン系
　ウレタン系は強力な接着力と優れた耐久性を持つため、金属や木材、コンクリートなど幅広い素材に使用できます。また、塗装が可能で仕上がりが美しいことから、トタン屋根や金属屋根の接合部や補修箇所に適しています

　ただし紫外線に弱いため、屋外で使用する際には塗装で保護する必要があります。

〇アクリル系
　アクリル系コーキング材は、安価で扱いやすい点が魅力です。
　水性タイプが多く、環境への影響も少ないためことから内装部分の隙間埋めや簡易補修に適しています。

　しかし、耐候性や防水性が低く、屋外や水回りの用途には不向きです。
　そのため、主に塗装下地や木材同士の接着に用いられます。
　
〇ポリサルファイド系
　ポリサルファイド系は耐久性が非常に高く、特に耐薬品性や耐水性に優れているのが特徴です。
　また、柔軟性が高く収縮や動きに対応できるため、船舶やタンク、プール、屋上防水などの厳しい環境で使用されます。

　一方、塗料との相性によっては変色してしまう可能性もあり、臭気も強いです。
　使用場所に適しているよく確認した上で採用する必要があります！

部分的な補修は応急処置的な対応

　部分的な補修は、錆の進行を抑制・防止できる訳ではありません。
　その為、たとえ一時的に穴が塞がったとしても腐食が進行する事で雨漏りが再発してしまうリスクは高く、せっかく苦労して修繕したのにも関わらずすぐに浸水被害が発生してはその苦労も無駄になってしまいます。

　補修は応急処置的な対応と考え、「雨漏りを根本から解決する為の時間稼ぎ」と捉えておくことが大切です！
　私達、「雨漏り専門赤外線・非破壊検査.com」ではコーキング材を使用した簡易補修と併せ、雨漏りを根本から解決する最適な施工方法までしっかりとご提案させて頂きます。

トタン屋根全体の劣化が進行している可能性が高い

　トタンは亜鉛メッキが施されることで耐錆性を向上させていますが、ガルバリウム鋼板と比較して十分とは言えません。
　錆付きによる部分的な穴あきが発生している場合、トタン屋根全体の劣化が進行している可能性が高い状態と言えます。

　その様な状態では部分的な補修だけでは不十分であり、屋根全体のリフォームが必要です！
　屋根材自体が寿命を迎えている場合にはカバー工法や葺き替え工事などが屋根リフォーム方法の選択肢となります。

トタン屋根の補修・リフォーム方法

　ここまで、トタン屋根のDIYによる補修がおすすめ出来ない理由について詳しくご紹介させていただきました。
　屋根上での作業は大変危険であることに加え、その施工には専門的な技術・知識が必要となります。

　また、屋根全体に劣化が進行している場合には、それに適した施工が必要です！
　そこで、次にトタン屋根の補修・リフォーム方法について詳しく解説いたします！

コーキング材・テープを使用した部分補修

　トタン屋根の穴あきや損傷が部分的である場合には、コーキング材やテープを使用した補修が可能です。
　雨水が浸水する隙間をしっかりと塞ぐ事で、屋内への雨漏り被害をひとまず止める事が出来ます。

　ただし、繰り返しとなりますがそうした補修方法は応急処置の一種であり、根本的な解決とは言えません。
　後述する屋根全体のリフォーム工事とセットでご検討されることをおすすめいたします！

屋根塗装メンテナンス

　塗装によって形成される塗膜は、錆の原因となる水分から屋根材を保護する働きがあります。
　定期的な塗装メンテナンスは錆の発生リスクを抑え、トタンの寿命を延ばします！

　ただし、錆によって既に穴があいてしまっている状態や、腐食によって崩れかけている場合には塗装メンテナンスを施す事は出来ません。

　塗装はあくまで「錆の発生を抑制」するメンテナンスである為、錆が広がる前に行う事が大切です！
　一般的にトタン屋根の塗装頻度の目安は約5～10年に1度と言われていますので、まずはその時期を目安に点検を行いましょう。

屋根カバー工法

　屋根カバー工法は、既存のトタン屋根を撤去せずにその上から新しい屋根材を重ねるリフォーム方法です。

　この工法の主なメリットは既存屋根材の解体がほとんど必要ない事から、工期が短く廃材処理のコストを抑えられる点です。
　また、２重構造となる屋根は自然と断熱性・遮音性が向上します。

　一方、後述の葺き替え工事との違いとして、下地材のメンテナンスは行われません。
　その為、雨漏り被害によって下地材である野地板の損傷が著しい場合には、採用する事が出来ません！

　また、新しい屋根材の重さだけ屋根が重くなりますので、耐震性への影響や住宅構造部への負荷についても気を払う必要があります。

屋根葺き替え工事

　葺き替え工事は既存のトタン屋根材を全て撤去し、新しい屋根材に交換するリフォーム方法です。
　この工事の最大の特徴は、屋根の構造部であり屋根材の固定先である「野地板」のメンテナンスを行えることです。

　雨漏りの原因やそれによる下地材の著しい損傷を一度に解決可能で、屋根を新品に等しい状態にすることが出来ます。

　一方、前述の屋根カバー工法と比較して工事に掛かる手間や規模は大きく、それだけ施工費用は大きくなります。また、施工期間も比較的長期である点にも注意が必要です！

トタン屋根の雨漏り修理を依頼する業者選定のポイント！

　トタン屋根の雨漏り修理は専門業者へ依頼する事がおすすめですが、そこで重要となるのが「業者選定」です。
　いい加減な施工業者に依頼してしまうことは、施工の失敗や施工不良による被害拡大を招くリスクに繋がります！

　まず注目したいのが、施工業者のHPに掲載されている調査・施工事例です。
　施工事例の数はそのまま施工経験の豊富さをはかる目安となり、さらに調査～仕上がりまでの流れをチェックする事が出来ます。

　また、実際にお見積りを依頼される場合には複数業者で相見積もりを行う事もおすすめです。
　担当者の提案力や価格を比較することで、より良い業者を選定する事が可能です！

　ただし、注意点となるのが「価格が安い＝良い業者」とは言えない事です。

　・工事について分からない事を答えてくれるか？
　・見積書が分かりやすく詳細に作られているか？
　・困っている事や工事で重要視している事をしっかりと聞いてくれるか？

　などのポイントから、総合的に信頼できる施工業者へ依頼する様にしましょうね。

ＤＩＹによるトタン屋根の雨漏り修理がおすすめ出来ない理由まとめ

　今回ご紹介をさせて頂きました通り、雨漏り専門赤外線・非破壊検査.com」ではDIYによるトタン屋根の雨漏り修理はおすすめしておりません。
　施工の失敗や滑落による事故を防ぐ為にも、トタン屋根の修理・施工はぜひ私達にお任せ下さい！

　また、住宅で発生する雨漏りは、屋根に限らず外壁やベランダ・バルコニーなど様々な場所で発生します。
　雨漏り専門赤外線・非破壊検査.comでは赤外線カメラや散水調査を併用した精度の高い調査でお住まいの雨漏り発生原因を突き止め、最適な施工方法をご提案させていただきます。

　トタン屋根はもちろん、雨漏り被害のお悩みはお電話・メールにてお気軽にご相談下さい。