雨漏り修理に使える補助金制度はある？リフォームにおける補助金制度の知識や火災保険の活用についてご紹介！

住宅で発生する雨漏りの原因は非常に様々で、その発生箇所や状態によって工事費用も変動します。
規模の大きな雨漏り修理工事では人件費・材料費は大きくなってしまい、その分トータルコストが増大してしまいます！

そうした中、国・自治体によって用意されている「補助金制度」を活用した雨漏り修理をご検討されている方もおられるのではないでしょうか？
そこで、この記事では雨漏り修理に補助金制度を使用する上で知っておきたい知識や注意点、火災保険の活用について詳しくご紹介いたします。

雨漏り修理に補助金を活用する上で知っておきたい4つのこと

まずはじめに、雨漏り修理で補助金を活用する上で知っておきたい4つのポイントについてご紹介いたします。

①「雨漏り修理」のみを対象とした補助金はほとんど無い

まず、「補助金制度」と「雨漏り修理」を解説するにおいて非常に重要となるのが、「補助金制度の多くは雨漏り修理・補修のみを対象としていない」ということです！
「雨漏り修理」だけを目的としている場合、補助金制度を適用出来るケースは非常に少ない事が現実です。

一方、例えば「雨漏りが発生している老朽化した屋根の改修工事」などの場合、「住宅の長寿命化」を目的とした補助金制度を適用出来る可能性が高くなります。
補助金制度を活用するほとんどの場合において、「雨漏り修理」とセットで「その補助金事業の目的に沿ったリフォーム工事」を行う必要がある点に注意しましょう！

②「補助金」と「助成金」の違い

	補助金	助成金
制度の傾向	上限が限られ審査が厳しく申請が通りにくい	要件・条件を満たしているだけで申請が通りやすい
制度の採用頻度が多い機関	厚生労働省	国土交通省・経済産業省・自治体

「補助金」と混同しやすい言葉に「助成金」という言葉がありますよね。
これらは一定の条件を満たす事で国・自治体から支給されるお金を指しますが、それぞれ使用されるケースや特徴に異なる点があります。

まず、助成金とは所定の要件・条件を満たしていれば原則的に給付される特徴を持っています。
国土交通省や経済産業省・自治体の制度に使用されることが多く、申請すれば受け取れる可能性は高い制度と言えます。

一方、補助金は厚生労働省の制度での採用頻度が高く、適用件数の上限が決まっている事が多いです。
その為、助成金と比較して申請のための審査が厳しい傾向にあります！

ただし、これらの言葉は明確に区別されている訳ではありません！
補助を受けられる条件・上限数はその「制度」によって変動しますので、あくまで言葉の持つ意味の目安として捉えておきましょう。

③「補助金制度」と「減税制度」の違い

	補助金制度	減税制度
支援方式	【直接的】工事費用の一部を補填	【間接的】住宅ローン控除・耐震改修特別控除など
支援を受ける方法	申請のみ	申請と併せて年末調整・確定申告が必要

「補助金制度」と「減税制度」は住宅の修理や改修を支援する点で共通していますが、その仕組みや恩恵を受け取る方法には大きな違いがあります。

まず、補助金は直接的な支援制度であり、工事費用の一部を補填する形で支給され施工におけるトータルコストを削減する事が出来ます！

一方、減税制度は所得税や固定資産税の減額を通じ、間接的に住宅修理の負担を軽減します。
例えば、「住宅ローン控除」や「耐震改修特別控除」などが該当し、これらの恩恵を受ける為には年末調整や確定申告で手続きを行う必要があります。

どの様な支援制度にも言える事ですが、支援制度の内容はしっかりとご理解された上で申請を行いましょう！

④補助金制度の提供元は国・自治体で異なる

補助金制度をご検討する上でもう一つ注意しておきたいのが、制度の提供元が国・自治体で異なると言う点です。
特に、自治体における補助金制度は地域が限られますので注意が必要です。

また、工事内容によっては複数の補助金制度を組み合わせる事も出来ますが、提供元が国・自治体に分かれていてもその資金源が同じであることを理由に併用できない可能性もあります。

雨漏り修理・リフォームにおける補助金制度の例

リフォームに関する補助金制度は国・自治体によって設けらられ、その適用条件や金額は様々です。
そこで、次にその一部についてご紹介いたします。

※内容は2025年1月に更新した情報です。
　すでに締め切られている・申請が出来ない可能性もありますのでご注意ください。

「アスベストの調査・解体」を目的とした補助金制度

アスベストとは健康被害を引き起こす原因物質であり、問題視されるようになった2000年以前には多くの住宅でアスベスト含有屋根材が使用されました。

通常の屋根材として使用する上では問題はありませんが、解体時に飛散する事を防ぐ為にも特殊な解体・廃棄方法が必要となります。
その為、その費用は一般的な屋根材の解体と比較して高額となります！

そこで、自治体より補助金制度が設けられているのがアスベストの調査・解体を対象にした補助金制度です！
雨漏りの修繕を必要としているアスベスト含有屋根のリフォーム工事に、そうした補助金制度が適用出来る可能性があります。

ただし、制度が設けられていない地域・自治体も存在しますので注意しましょう。

「耐震性向上」を目的とした補助金制度

耐震性向上に関する補助金制度は、自治体が設けている制度です。
専門の耐震診断士による診断を行った上、耐震性の向上に必要なリフォーム工事に補助金を適用出来ます。

以前は昭和56年5月末日以前の建物が対象でしたが、地域によっては平成12年6月1日以前の新耐震基準で建設された建物についても対象となる様に緩和されました。

住宅の中でも、この制度の対象となるケースが多いのが瓦屋根です。
瓦は屋根材の中でも非常に重量があり、それが地震発生時のお住まいの揺れを大きくしてしまう原因となります。

瓦屋根に雨漏りが発生している場合、補助金制度を適用して耐震性向上を目的とした葺き替え工事によるリフォームを行える可能性があります。

ただし、注意が必要な点として、耐震工事を行う為には耐震診断・耐震設計が必要となります。
その為、「雨漏りの解決を目的とした葺き替え工事」のみを行う事は出来ません！

「耐風性能の向上」を目的とした補助金制度

自然災害に関する補助金制度

大規模な地震・台風の発生によって生じた被害に対して、国・自治体が補助金制度や見舞金制度を用意する場合もあります。
被災によって雨漏りが生じている場合など、積極的に活用したい制度です。

一方、そうした補助金制度の情報は、ご自分でしっかりとチェックしなければ存在を把握する事も難しいものです。
「募集期間を打ち切った後でその存在を知った...」というケースも少なくありません。

被害を受けた際には、自治体のホームページ等を忘れずに確認する事が大切です。

耐風性能の向上に関する補助金は、主に強風による瓦屋根の飛散被害を防ぐ事を目的として国が設けた補助金制度です！
ガイドライン工法（強風に強い瓦の固定方法）の義務化によりリスクは低減していますが、従来の仕上げ方の瓦屋根は強風に弱く飛散リスクが高い状態にあります。

耐風性能に関する補助制度は「ガイドライン工法が未適用の瓦屋根」に適用出来る可能性があり、屋根の葺き替え工事等を補助金を活用して施工する事が可能です！

補助金を活用して住宅リフォームを行う際の注意点

上記の通り、住宅リフォームにおいて国・自治体が設けている補助金制度は多く、工事内容によっては雨漏りの修理も同時に施工する事が可能です！
しかしその一方で、補助金を活用した住宅リフォームには注意点も存在します。

まず、注意点として挙げられるのが「申請の上限」です。

補助金制度の多くは上限が設けられており、予算・申請件数が多ければそれだけすぐに締め切られてしまいます。
工事をご検討されている場合には、助成金制度の締め切りの状況だけでも確認しておきましょう！

また、繰り返しとなりますが雨漏り修理のみを対象とした補助金制度はほとんどありません。
その為、補助金制度の活用は「雨漏り修理のため」では無く、「雨漏り修理と併せて住宅リフォームを行う」場合においてメリットが大きいものであると念頭に置いておきましょう。

自然災害による雨漏りの修理には「火災保険」を活用！

雨漏りの発生要因は非常に様々ですが、その中でも自然災害による雨漏り修理にぜひ活用して頂きたいのが「火災保険」です。
火災保険は、火災だけでなく風災・雹災・雪害などの自然災害による被害にも適用可能する事が出来ます！

そこで、次に火災保険を活用できる可能性が高いケースや申請における注意点について詳しくご紹介いたします！

火災保険を適用できる可能性が高いケース

上記の通り、火災保険はお住まいの様々な自然災害による被害に適用出来る可能性があります。
以下は、火災保険が活用できる可能性が高いケースの例です。

積雪による雨樋の破損

フワフワとして軽い雪ですが、屋根の上に過度に降り積もった雪は非常に重くなります。
そうした雪が雨樋に滑り落ちる事で、雨樋を破損させてしまうケースも少なくありません。

屋根に降った雨水の排水機能を大きく低下させ、高所からの雨水の落下による騒音・水溜まりの発生などの被害を招きます。
被害を受けた雨樋の交換工事に火災保険を活用できる可能性があります！

降雹による塩ビ・ポリカ屋根の穴あき

降雹は非常に大きなエネルギーを持ち、住宅にも大きな被害を及ぼします。
近年ではゴルフボール程の大きさの降雹も確認されており、特に多いのがカーポートやベランダなどに設置された塩ビ・ポリカ屋根への被害です。

火災保険を適用して、降雹により穴あき・破損した塩ビ・ポリカ屋根を交換されるケースも非常に多いです！

強風による棟板金の飛散

屋根の中でも棟板金は強風に弱い場所として知られ、台風被害によって飛散してしまうケースがあります。
そうした状態は非常に危険な状態であり、雨漏りを招いてしまうリスクにもなります！

火災保険の審査により風災による被害として認められる事で、棟板金交換工事の費用を低減する事が出来ます！

火災保険の申請に関する注意点

火災保険を申請する上でまず注意しなければならないのが、申請期限です。
一般的に火災保険の申請は被害を受けた日から3年以内が期限とされており、それを超えてしまうと適用する事は出来ません。

また、火災保険で補償される範囲は、原則として現状復旧工事に限ります。
その為、損傷前の状態と比較して機能性の向上やグレードの高い資材を使用した修理にはその分費用が掛かります！

さらに、当然ですが火災保険の適用には審査が必要です。
保険会社によって「被害の原因が自然災害にある」と認められなければ、適用する事が出来ません。

その為、申請には工事に掛かる費用の見積もりをはじめ、損傷状態やその経緯をまとめた写真・資料の作成も必要となりますので注意しましょう。

雨漏り修理に使える補助金制度はある？まとめ

今回は、雨漏りに修理における補助金制度の活用についてスポットを当て、制度の種類や活用方法について詳しくご紹介させていただきました。

住宅リフォームにおける補助金制度は雨漏り修理だけを目的としたものはほとんど無いものの、耐震性・耐風性の向上などを目的として様々な種類が用意されています！
その為、雨漏りの発生箇所によっては、住宅リフォームと併せて補助金を活用した修理・修繕を行う事が可能です。

また、自然災害を原因とした雨漏り修理では、「火災保険」を利用して工事を行う事が出来ます。
雨漏り専門赤外線・非破壊検査.comでは、ご提出が必要な申請書類の準備についてしっかりとサポートさせていただきますのでご安心ください。