カーポートで発生する雨漏りの原因とは？雨漏り修理の方法や火災保険の適用範囲

雨漏り被害...と聞くと、住宅で発生するイメージが強いですよね。
しかし、意外とお困りの方が多くいらっしゃるのが「カーポート」の雨漏りです。

この記事ではカーポートで発生する雨漏りの原因や対策、屋根材の種類から火災保険の適用条件など、カーポートの雨漏り被害で知っておきたい知識について詳しくご紹介いたします。

カーポートで発生する雨漏りの原因とは？

一口にカーポートの雨漏りといっても、その要因は非常に様々です。
そこで、まずはカーポートが雨漏りを引き起こしてしまう原因についてそれぞれご紹介いたします。

①シーリングやパッキンの経年劣化

「シーリング」「パッキン」は、カーポート屋根に出来てしまう「隙間」を塞ぎ防水性を高めている部材です。
施工直後は弾性・柔軟性に優れるそれらの素材も、特に紫外線の影響を受け続ける事で劣化・硬化が進行してしまいます。

ひび割れや肉痩せ、破断などを生じさせることで隙間が生じさせ、雨水の浸水を招く直接的な原因となります！

②自然災害による破損

・台風や強風による屋根材の飛散被害
・積雪の重みによる屋根材の破損
・大粒の雹が衝突することによる屋根材の穴あき

カーポートは自然災害による影響を受けやすく、上記の様な被害は雨漏りの大きな要因となります。

最近では、異常気象とも呼べる気候が確認されることも増えてきたように感じます。
勢力の強い台風や激しい降雹・降雪が過ぎ去った後は、お住まいと併せてカーポートも点検されることをおすすめいたします。

③雨樋の詰まりによる水の逆流

景観を整えるためにデザインでうまく隠されている事も多いため、「カーポートに雨樋...？」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、お住まいと同じく、カーポートにも雨樋が設置されていることが一般的です。

屋根に設置される雨樋は「屋根に降った雨水を地面へと排水する役割」を担いますが、その一方で土やゴミ、落ち葉などによって詰まってしまうことがあります。

適切に排水されず雨水が逆流してしまうと屋根の接合部や軒先に浸水し、雨漏りが発生する原因となりますので注意しましょう。

④施工不良

非常に残念なことですが、カーポートの施工不良によって雨漏りが生じてしまうケースも存在します。

特に、カーポートの新設・修繕をしてすぐに雨漏りが発生した場合、施工不良による雨漏りが疑われますので注意しましょう。

どのような工事も信頼できる施工業者へご依頼されることが大切です！

カーポート屋根の修理方法について

それでは、カーポート屋根で雨漏りが発生した場合、どの様な修理が必要となるのでしょうか？

以下に詳しくご紹介いたします！

①シーリング打ち替え工事

シーリング打ち替え工事は、シーリングの劣化によって雨漏りが生じているケースで採用される工事方法です！

劣化が進行して硬化したシーリングを撤去し、新たなシーリング材に打ち替える事でシーリングの防水性・弾性を回復させます。

一方、既存のシーリング材の上にそのまま新しいシーリングを施工する「シーリング増し打ち工事」も存在します。

ただし、シーリング増し打ち工事は施工コストや工期面でメリットがある一方、耐久性に期待できる施工方法ではありません。
こちらは、あくまで応急処置的な対応であることを念頭に置いておきましょう。

②雨樋の清掃

雨樋の詰まりもカーポートから発生する雨漏りの原因の一つです！
滞留した落ち葉や土などを清掃する事で、排水性を回復する事が出来ます

特に、住宅の近くに樹木が生い茂る学校・公園がある場合、お庭に高さのある木が植えられているケースでは詰まりを招くリスクも大きくなります。

雨漏りなどの異常が発生していなくとも、季節の変わり目に合わせて年に2回程度行っていくことで安心できます。

③カーポート屋根の交換

屋外に設置されたカーポートは紫外線や雨風の影響を受け続ける事から劣化が進行しやすく、さらに自然災害による被害を受けやすい場所です。

経年劣化や強風・降雪・降雹などの自然災害によって屋根が損傷してしまうケースも多く、その様な場合は屋根材自体の交換が必要となります。

現在カーポート屋根の主流素材となっているのが、「ポリカーボネート（通称：ポリカ）」です。

ひと昔前によく使われた「塩化ビニール（通称：塩ビ）」と比較して耐久性が大幅に向上されており、現在ポリカ屋根をご使用されている場合にはこの機会にと交換されることもおすすめです！

雨漏りを防ぐカーポートの定期的な点検・メンテナンス

ここまでカーポートの雨漏り修理方法についてご紹介いたしましたが、それらはすべてカーポートが定期的に必要とするメンテナンスです。

そのため、「定期的な点検やメンテナンスをしっかりと行っておけばカーポートの雨漏りを未然に防ぐことが出来る」とも言えます！

日常の中で気にされることは難しいかもしれませんが「屋根材のひび割れ」「シーリングやパッキンの破断」など、カーポートの異常を少しでも感じたら早期に対応しましょう。

また、使用されている部材の耐用年数を把握しておくことは将来的なメンテナンスを立てやすくことに繋がります。
ご自宅にあるカーポート屋根に使用されている部材の種類や耐久性についても、出来れば事前にチェックしておきましょう！

カーポートの雨漏りはDIYで修理できる？

「カーポートの雨漏りくらいであれば…」とDIYによる修理をご検討されている方もおられるのではないでしょうか。
確かに雨樋の清掃程度であれば、ご自身で対応できるかもしれません。

しかし、シーリング打ち替え工事一つでも「シーリング材の種類の選定」をはじめ「プライマーの塗布や打ち込み後の均し作業」といった専門的な技術・知識を必要とする工程があります。

適切な材質・工法で行われていない雨漏り修理は、雨漏りを止めるどころか施工不良を招いてしまうリスクに繋がります！

また、カーポートの屋根部分は意外と高い位置にあり、そうした作業では危険が伴います。

カーポートの雨漏り修理は、ぜひ私達「雨漏り専門赤外線・非破壊検査.com」にご相談ください！

カーポートに使用される屋根の種類

カーポートに使用される屋根材と言えば、以前は「塩化ビニール（通称：塩ビ）」がよく使用されていました。

しかし、現在では「ポリカーボネート（通称：ポリカ）」という素材が主流となり、多くのカーポートで使用されています。

それでは、塩化ビニールとポリカーボネートは、具体的にどのような特性の違いがあるのでしょうか？

カーポートに使用される屋根材のそれぞれの特徴についてご紹介いたします。

塩化ビニール（塩ビ）

塩化ビニールはプラスチック素材の一種であり、「塩ビ」と呼ばれることも多い素材です。
安価で加工が簡単という特徴から、以前はカーポート屋根によく使用されていました。

しかし、塩化ビニールの耐用年数は通常で約3年程度、強化されたガラス繊維ネット入りタイプでも約5年～10年程度しかありません。

また、耐衝撃性に関してはポリカと比較して約1/10程度しか備わっておらず、さらに屋根材としては紫外線に弱い特性も致命的です。

上記の理由とあわせ後述するポリカーボネートの登場により、塩ビが屋根材として使用される機会は激減しました。

ポリカーボネート（ポリカ）

一方、現在カーポート屋根の主流素材として活躍しているのが、ポリカーボネート（通称：ポリカ）です。

耐用年数は約10～15年と長寿命で、耐久性・耐衝撃性にも優れます。
また、熱や紫外線などにも強いため、まさにカーポート屋根に適した素材と言えます！

価格面で言えば塩ビに劣りますが、将来的なメンテナンス頻度を考えますとポリカーボネートの方がコストパフォーマンスに優れた選択肢です。

スチール折板カーポート

スチール折板屋根は、ガルバリウム鋼板と呼ばれる素材を波状に凹凸状に加工して作られる金属屋根材です。

元々頑丈なガルバリウム鋼板ですが、加工が施されることでさらに丈夫な屋根となっています。
耐用年数は約25～35年程度であり、カーポートに使用される屋根材の中ではトップクラスの耐久性・耐衝撃性を誇ります。

しかし、その一方で後述する「結露」が発生しやすい特性あるため注意が必要です！

カーポートの「結露」にも注意！

雨漏り被害と同様にカーポートのお悩みで多いのが「結露」です！
結露とは空気中の水蒸気が冷やされて表面に水滴として現れる現象で、特に「スチール折板屋根のカーポート」では発生リスクが大きくなります。

冬場の気温差によって屋根の天井部に発生した結露は、その水滴が落ちる事で結果的に雨漏りに似た症状を引き起こしてしまいます。

カーポートの結露対策と注意点

金属製折半屋根の結露対策としては、ペフ（スポンジ状の断熱材）の活用が非常に有効です。

しかし、ペフは、

・現在使用されている折半屋根に後付けする事が出来ない
・折半屋根よりも耐久性ははるかに劣り、約10年程度でボロボロとなってしまう
・折半屋根をそのままでペフのみをメンテナンスする事が出来ない

といったデメリットがあり、将来的なカーポートのメンテナンスを難しくしてしまう側面があります。

金属屋根材と比較して耐久性には劣りますが、結露の発生リスクが比較的低いポリカーボネート屋根へ変更してしまう事もおすすめです。

カーポートの雨漏り修理に火災保険は適用される？

火災保険を使用したカーポートの雨漏りをご検討されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、当然ですがカーポートで発生した全ての雨漏り被害に火災保険を適用できるわけではありません。

それでは、次にカーポートの雨漏り修理に火災保険の適用をご検討される上で知っておきたい知識をご紹介いたします。

火災保険の適用条件について

火災保険の適用条件においてもっとも重要と言えるのが「カーポートで発生した雨漏りの原因」です！

火災保険の適用範囲は原則として「自然災害」を起因として発生した損傷に限られ、経年劣化や構造的な欠陥を原因とした雨漏り被害に適用されることはありません。
また、申請は原則として被害発生日から3年が期限とされており、保険会社による審査も必要となります。

保険の審査には「損傷が火災保険によって発生した」と証明する必要がありますが、被害発生日から時間が経つにつれてそれも難しくなっていきます。
そのため、被害の発生を確認した際は、出来るだけ早くに対応されることがおすすめです！

〇火災保険の適用基準におけるポイント
　・損傷原因が自然災害にあること
　・申請期限は３年
　・適用には保険会社の審査が必要

雨漏り被害を受けた車は火災保険で補償される？

カーポートの損傷やそれによる雨漏り被害が発生した場合、その下に駐車している大切なお車も被害を受けてしまう可能性が高いです。

しかし、カーポートの雨漏りによって駐車していた車に損害が生じた場合、基本的には火災保険では補償されません。
一般的に、自動車の損害は「自動車保険」によって保証されます。

ただし、車両保険の契約状況によっては保証の範囲外となりますので注意しましょう。
万一に備えて、事前に住宅の火災保険やお車の自動車保険の契約状況を確認しておくこともおすすめです！

まとめ

今回は、カーポート屋根の雨漏り原因をはじめ、その修理方法やカーポート屋根材の種類、火災保険の適用範囲についてご紹介をさせていただきました。
雨漏りはカーポートでも発生するリスクがあり、それが原因で大切なお車が被害を被ってしまう可能性もあります。

雨漏り専門赤外線・非破壊検査.comはお住まいで発生した雨漏り被害は勿論、カーポートで発生した雨漏りの調査から修理対応まで幅広くご対応可能です。
カーポートで発生した雨漏り被害にお困りの方がおられましたら、ぜひお気軽にご相談ください！