工事のきっかけ
調布市布田町にお住まいのお客様より、「雨漏り被害が発生して困っている...」とのご相談をいただきました。
お客様のお住まいは3F建ての建物であり、バルコニーから生じている可能性が高い状態です。
散水試験や赤外線サーモグラフィによる調査を行ったところ、外壁に設置されている配管との取り合い部分から浸水が発生している事が分かりました。
また、床面には2カ所の「膨れ」が確認され、今回の浸水被害とは関係がないものの放置はできない状態でした。
発生している浸水被害の解決・将来的なリスク低減のため、「シール工事」「防水工事・改修用ドレンの設置」によるメンテナンスを施工させていただきました。
画像は、今回浸水が発生しているキッチンの換気扇周辺の天井です。
天井の角や壁際にシミが広がっており、それによる劣化も進行している状態でした。
また、換気扇周りとも言う事もあり、浸水による漏電も心配される状況です。
これ以上被害を広げないためにも、早期に解決する必要があります!
屋内の浸水状況から、今回の雨漏り被害はバルコニーから発生している可能性が高い状態でした。
早速バルコニーにの調査をさせていただくと、まず気になったのが
床面の状態です。
全体が色あせており、一部では膨れも確認できます。
また、設置されている配管と外壁の取り合い部に施工された
シーリングは著しく劣化が進行しており、一部では浸水リスクが高い隙間も出来ている状態でした。
浸水原因をピンポイントで特定するため、散水試験を行っていきます。
画像は、外壁と配管の取り合い部にホースを使用して散水する様子です!
散水試験とは雨漏りが疑われる箇所にわざと水を掛ける事で、雨漏りを疑似的に再現する調査方法です!
浸水状況をリアルタイムで確認できるため、浸水原因を高い精度で見つける事が出来ます。
今回は、散水試験とあわせて
赤外線サーモグラフィカメラによる調査も行わせて頂きました。
こちらは、散水を行ってしばらく経過した後、浸水個所を赤外線サーモグラフィカメラで撮影した画像です!
青色で部分的に描写された箇所は周囲と比較して温度が低下している場所であり、内壁や天井内部で浸水が生じている事を示しています!
今回の雨漏り原因は、やはり
壁面と配管の取り合い部から生じているようです。
雨漏りの改善のため外壁のシール工事が必要になる事はもちろんですが、防水層の劣化や膨らみも放置できない状態です。
そのため、今回は現在生じている雨漏りの解決と将来的なリスクを低減するため、壁面のシール工事、並びにウレタン防水工事を施工させていただくこととなりました。
また、あわせて排水口周りの劣化も気になりましたので、あわせて「改修用ドレン」の設置工事も行わせていただく運びとなりました。
それでは、防水工事と改修用ドレンの設置から進めていきます。
新たな防水工事を施していくためにも、まずは膨れ部分を中心に補修を行っていく必要があります。
膨れ部分にカッターで切れ目を入れ、その部分をめくり乾かしていきます。
通常であれば下地に対してしっかりと密着しているはずですが、劣化が進行した事で簡単に剥がれてしまう状況です。
補修材を使用して、捲れ部分の補修を行いました!
続いて、改修ドレンの設置を行っていきます。
排水性の悪いバルコニーにおいて、唯一の排水設備である「排水口」は非常に重要な場所です。
一度詰まってしまえば雨水の滞留を引き起こし、そうした水分は防水層の劣化にも繋がります。
こちらは、今回使用する改修用ドレンです!
鉛のプレートと排水ホースが一体化している部材であり、現在の排水口に設置する事でその排水性を回復させることが出来ます。
回収ドレンは、既存の排水口にホースを差し込む様に設置を行っていきます。
プレート部分に使用されている
「鉛」は、非常に柔らかい金属です。
そのため、ハンマーなどでたたくことで簡単に変形し、排水口にフィットするように設置する事が出来ます。
プレートの下に雨水がまわりこまないよう、最後にシールを施します。
この状態でさらに防水層を形成する事で、バルコニーに降った雨水がスムーズに排水されるようになります。
続いて防水工事を進めていくのですが、既存の床面にある汚れや油膜は防水層の耐久性や仕上がりに大きな影響を及ぼします!
そのため、アセトンを使用して汚れを落としつつ脱脂を行っていきます!
塗装工事にも言える事ですが、こうした下地処理は仕上げと同じくらい重要な工程です!
お客様にご満足いただける仕上がりとなるよう、手を抜かずにしっかりと行っていきます。
今回施工させていただく「ウレタン防水」は、塗膜によって防水層を形成する方法です!
しかし、そのままの状態で防水層を形成してしまいますと、内部の湿気が逃げる事が出来ず膨れなどを引き起こしてしまいます。
そのため、通気緩衝シートを敷設した上、湿気の逃げ道である脱気筒を設置していきます。
この工法は、ウレタン防水工事の中でも「通気緩衝工法」と呼ばれる優れた施工方法です!
脱気筒の設置完了後、いよいよウレタン防水材の塗布を行います。
下塗り・仕上げと2回に塗り分ける事で、厚みがある塗りムラの無い防水層を形成していきます!
一見簡単そうに見えますが、排水口への排水をスムーズにする傾斜も必要であるためただ塗ればよいという訳ではありません。
職人の腕が光る作業です!
最後に、仕上げとなるトップコートを塗布していきます。
防水層は雨水を防ぐ役割を担う一方、トップコートは防水層を保護する大切な役割を担います。
特に、防水層の天敵となる紫外線から保護する事で、防水層が本来備える耐久性を発揮する事に繋がります。
これで、防水工事が完了しました!
次に、今回の雨漏りの原因である配管と外壁取り合い部へシール処理を行っていきます。
将来的に浸水が発生しないよう、入念にシーリング材を打ち込みました。
また、その周辺にあたる
「竿受け部」や
「窓サッシ周辺」のシーリングも劣化が進行しており、将来的に浸水被害を引き起こす可能性が高い状態でした。
配管部とあわせ、こちらもシール処理を施させていただきました!
以上で、防水工事・改修ドレンの設置・シール処理によるメンテナンス工事が完工いたしました!
工事後、改めて散水試験を行わせていただいたところ雨漏りの発生も無く、お客様に大変ご安心いただくことが出来ました。
「雨漏り専門赤外線・非破壊検査.com」は、お住まいで発生している雨漏りの原因特定から解決まで幅広く対応可能です。
・原因不明の雨漏り被害に困っている
・工場で発生した浸水被害を解決したい!
・将来的に雨漏りの不安が無いようなメンテナンスを行いたい!
上記の様なご不安事、ご希望がございましたらぜひお気軽にご相談ください。
同じ地域の施工事例